Server 2024.1の新機能
バージョン : 2024.1
リリース日 : 2024年5月1日
Server 2024.1リリースノート 全文を参照してください。
新しい機能
アセット所有権の移転
今回のリリースでは、管理者が新しい所有者と同じスタジオにいなくても、ユーザー間でワークフローとスケジュールの所有権を移転できるようになりました。これにより、特に従業員が会社を離れるときなどに、ワークフローとスケジュールの所有権の管理が容易になります。また、コラボレーションが改善され、ワークフローの所有者が変更された場合の面倒なやり直しが防止され、データパイプラインの中断が回避されます。
ワークフローの場合、ワークフローが新しい所有者に移転されると、ワークフローは古いユーザーのスタジオから新しいユーザーのスタジオに移動し、所有権フィールドが更新されます。ワークフローが移転されても、監査コンプライアンスとバージョン管理に不可欠なバージョン履歴が残ります。
この新機能に加えて、[通知]で新しい通知オプションを使用できます。これらは、アップグレード時に自動的にオンになります。Server UIとAPIの両方を使用してワークフローを移転すると、通知が送信されます。過去の所有者と新しい所有者の両方に通知されます。詳細については、通知のヘルプページを参照してください。
アセットの所有権は、Server UIまたはServer API V3エンドポイントを使用して移転できます。
Server UIでのアセット所有権の移転
管理者は、スケジュールやワークフローのアセット所有権をServer UIから個別に、または一括で移転できるようになりました。アセットの一括移転により、APIに大きく依存することなく、スムーズな移行が可能になります。
この機能の詳細については、ワークフロー所有権の移転およびスケジュール所有権の移転を参照してください。
Server API V3を使用したアセット所有権の移転
管理者は、新しい所有者と同じスタジオにいなくても、V3 APIを使用してユーザー間でワークフロー、スケジュール、コレクションの所有権を移転できるようになりました。
PUT /v3/workflows/{workflowId}/transfer
この新しいAPI呼び出しにより、スタジオに関係なく、単一のワークフローのワークフロー所有権を移転する機能が追加されます。したがって、管理者は、ワークフローと同じスタジオにいないユーザーにワークフローを移転できます。
現在のワークフロー所有者が所有しているそのワークフローに関連するすべてのスケジュールを移転する追加オプションがあります。これにより、管理者はワークフローとそれに関連付けられたスケジュールを同時に移転できます。移転されるスケジュールは、既存のワークフロー所有者が所有するスケジュールのみになります。
PUT /v3/users/{userId}/assetTransfer
この新しいAPI呼び出しにより、管理者は1回の呼び出しですべてのワークフロー、スケジュール、コレクションをユーザー間で移転できます。管理者は、これらのアセットのうちどのアセットを移転するかを選択できます。これにより、管理者はすべてのアセットをあるユーザーから別のユーザーにすばやく簡単に転送できます。
これらのAPIにより、ワークフロー、スケジュール、コレクションの所有権の管理が容易になります。新しいAPIエンドポイントの詳細については、ワークフローエンドポイントとユーザーエンドポイントを参照してください。
SQLデータベースのサポート
既存のMongoDB統合に加えて、SQLユーザー管理インスタンスのサポートが追加されました。この追加機能により、好みや要件に合わせてリレーショナルデータベースを柔軟に活用できます。FIPS準拠環境と非FIPS環境の両方にSQL DBサポート機能が含まれています。現時点では、Microsoft SQL Serverのみをサポートしています。
Alteryx ServerでSQL DBの使用を開始するには、Alteryxシステム設定でSQL DBを設定する必要があります。
コントローラー:
[Controller] > [Persistence]に、SQL DBに接続できる[User-managed SQL DB] (ユーザー管理SQL DB)オプションが追加されました。
[Controller] > [Persistence] > [Database] > [SQL Connection]に、SQL DB接続文字列を入力します。
SQL DBオプションを使用してコントローラーを設定する方法の詳細については、Controllerを参照してください。
Server UI:
[Server UI] > [Persistence] > [Advanced Connections] (高度な接続)では、[Controller] > [Persistence]セクションで[User-Managed SQL DB]を選択している場合、[Server Persistence] UIが[Advanced SQL Connection]に自動的に入力されます。
[Server UI] > [Persistence ] > [Web Persistence] (Webの永続性)で、SQL DB接続文字列を入力します。MultipleActiveResultSets (MARS)フラグが自動的に追加されます。Alteryx Serverでは、複雑なクエリを実行するためにこのフラグが必要になります。このフラグがないと、一部の操作が実行できず、Serverが完全には機能しない場合があります。このフラグの詳細については、複数のアクティブな結果セット(MARS)を参照してください。
SQL DBオプションを使用してServer UIを設定する方法の詳細については、Server UIを参照してください。
ServerでSQL DBを管理する方法の詳細については、SQL DBの管理のヘルプページを参照してください。このページでは、SQL DBスキーマ、接続文字列、MongoからSQLへの移行ガイドの詳細を確認することができます。SQLに関するサポートとMongoDBからSQLへの移行の概要については、Server SQL DB Customer FAQ (Server SQL DBに関するお客様からのよくある質問)を参照してください。
暗号移行の改善
暗号移行プロセスが次のように改善されました。
移行準備ツールの改善について
2022.3以降にアップグレードする前に、対処しておくべき予想される問題を確認するには、移行準備ツールで実行前チェックを実行します。
移行準備または完全移行プロセス中に、改善されたエラーログを確認することができます。このエラーログを使用することで、問題を自分で解決することが可能になります。これにより、エラーが発生しても、推奨されるアクションを実行して完全移行を正常に完了することができます。
移行準備ツールの実行時に利用できる、新しい実行オプションを3つ追加しました。
既定: 移行準備と移行準備チェックを同時に実行(-p)
移行準備(アプリ)のみを実行(--appsonly)
資格情報検証ステップのみを実行(--credonly)
移行準備ツールの実行中は、コントローラートークン(-t)とコントローラーのホスト名/IPアドレス(-i)を指定する必要があります。また、コントローラーのホスト名/IPアドレスとコントローラートークンを指定することで、マルチノードセットアップで移行準備ツールを実行できるようになりました。
移行準備ツールの2つのインスタンスは、同じコントローラーに対して同時に実行できません。
エラーメッセージの改善
改善されたエラーメッセージの例:
2024-02-28 10:06:38.038910;3;Error parsing xml file 'C:\ProgramData\Alteryx\RuntimeSettings.xml': char position=0; Message=File was not found
2024-02-28 10:06:38.038834;3;<Error parsing xml file 'C:\ProgramData\Alteryx\RuntimeSettings.xml': char position=0; Message=File was not found>.Please verify <"C:\ProgramData\Alteryx\RuntimeSettings.xml"> exists.
実行前チェックの詳細については、移行準備ツールを実行するを参照してください。
ワークフローとスケジュールのUI検索と並べ替え
管理者と非管理者の両ユーザーに向けてServerの検索機能とソート機能が改善され、Server UIの全体的なエクスペリエンスが向上しました。これで、次の作業を簡単に実行できます。
[スケジュール]と[マイワークスペース] ([マイファイル]、[共有アイテム]、[パブリック]タブ)から、「ワークフローID」で検索します。
[スケジュール]と[マイワークスペース] ([共有アイテム]、[パブリック]タブ)から、「所有者」で検索します。
[スケジュール]と[マイワークスペース] ([マイファイル]、[共有アイテム]、[パブリック]タブ)から、エンジン「AMP」でフィルタリングします。
[マイワークスペース] ([マイファイル]、[共有アイテム]、[パブリック]タブ)から、「タイプ」でフィルタリングします。
検索の詳細については、アセットの検索を参照してください。
CEFを使用しないServer SAML認証
DesignerのSAML認証ブラウザをChromium Embedded Framework (CEF)からマシンの既定ブラウザに変更しました。これにより、Designerが更新バージョンでリリースされる前に、CEFが古くなるというセキュリティ上の問題を回避できます。
サービスタイムスタンプがUTC形式に移行
Serverデータベース内のすべてのタイムスタンプがUTC形式に変換されました。ユーザーインターフェースのすべての日付/時刻フィールドが既定でユーザープロファイルのタイムゾーンに応じて表示されるようになりました。唯一の例外は頻度フィールドです。このフィールドには、スケジュールの作成時に選択したタイムゾーンが表示されます。
Serverのデータベースから直接タイムスタンプを取得している場合、これらのタイムスタンプは、製品全体の標準化と夏時間問題の軽減を目的にUTC形式に移行されていることにご注意ください。
影響を受けるAPI
タイムスタンプ要素を持つすべてのServer APIは、UTC-0のタイムゾーンの日付/時刻のフィールドを返すようになりました。
Swagger経由で影響を受けるAPIのリストは以下のとおりです。
POST /v3/schedules
PUT /v3/schedules/{scheduleId}
GET /v3/schedules
GET {scheduleId}/v3/schedules/
上記のAPIエンドポイントについては、スケジュールエンドポイントのヘルプページを参照してください。
古いバージョンから2024.1にアップグレードする場合は、AlteryxServiceの起動時に既存のアセットのタイムスタンプが新しいUTC標準に変換されます。
AlteryxServiceはサードパーティのライブラリを使用して、更新されたタイムゾーン情報をデータベースに保持します。これらは、更新プログラムを適用する際に一緒に更新する必要があります。正しいオフセット値を提供していないタイムゾーンがある場合は、ライブラリの更新を待ってください。
DCM環境接続処理
DCM環境接続処理ルールを使用すると、Server上でワークフローを実行する際、ワークフロー接続の代わりに、Server上に存在するどの接続を使用するかを定義できます。この機能は、Server UIおよびServer APIを介してすべての管理者が使用できます。
すべての環境について、実行時にワークフローで検出された場合に、別の接続に置き換える必要がある接続IDのリストを定義できます。つまり、その環境では、各ソース接続ID (ワークフローに存在する)は、エンジン実行時にターゲット接続(接続IDで定義)として解決されます。これは、ワークフロー自体に変更を加えることなく、各Server上で1つのワークフローを異なる方法で(異なる接続を使用して)実行できることを意味します。DCMは、YXMDワークフローを更新することなく、接続の置換を実行時に動的に処理します。
単一のServerの設定では、DesignerのワークフローがServerと異なる方法で実行するように設定することができます。これにより、ワークフローに変更を加えることなく、複数の環境(開発、テスト、本番)でのワークフローのライフサイクルを簡易化できます。
DCM環境接続処理ルールの詳細については、DCM接続およびDCM接続処理を参照してください。DCM環境接続処理ルールに必要なアクセス権を確認するには、ユーザーロールと権限を参照してください。
DCM環境接続処理ルールを管理するためのAPIエンドポイントを確認するには、DCMEエンドポイントのヘルプページを参照してください。
DCM汎用外部保管庫
認証とシークレットの取得を処理するカスタムスクリプトまたは実行可能ファイルを指定することで、DCM設定を使用して、実行時にDCM資格情報で使用されるシークレットを保管庫から取得できます。このような保管庫は、DesignerとServerから作成できます。
汎用外部保管庫を使用すると、基本認証を使用してプログラムインターフェース経由で任意の保管庫からシークレットを取得できる汎用保管庫を設定できます。
設定の詳細については、DCM - Server、データ接続マネージャー: Server UI、DCM汎用外部保管庫を参照してください。
DCM権限
その他の新しいDCM機能と変更点に加えて、次の新しいDCM権限が追加されました。これにより、Server管理者は、Server上に存在するユーザーのDCM接続をより適切に制御できるようになりました。
DCMアセットの作成または編集
サーバー上でのみ実行するためにDCM接続の資格情報を共有
コラボレーションのためにDCM接続の資格情報を共有
汎用保管庫の管理
これらの権限は、新規および既存のユーザーに対して自動的に有効になります(汎用保管庫の管理の権限を除く)。
詳細については、ユーザーロールと権限のヘルプページを参照してください。
DCMの同時共有
コラボレーションのために1人のユーザーと同じ接続を共有し、実行のためにそのユーザーまたは別のユーザーと同じ接続を共有できるようになりました。詳細については、データ接続マネージャー: Server UIを参照してください。
HashiCorp Vault mTLS認証
HashiCorp Vaultに新しい認証方法が追加されました。Serverで、mTLS (「相互TLS」、「TLSクライアント認証」とも呼ばれる)を使用してVaultからDCMシークレットを取得できるようになりました。